哲学クイズのページ

 『供犠層』は、現在の社会をデフォルメして、電力不足と危険労働を体験できるようにしたゲームです。

このページでは、作中の状況をもとに短い哲学問題を公開しています。( 正解のあるクイズではなく、考えるクイズです  )


■ 第七種調整作業員 倫理調査


あなたの命は、いくらですか?


 問1:
あなたは、自分の寿命と引き換えにお金を受け取れます。
寿命1分につき、いくらなら差し出しますか?

①100円
②1,000円
③1万円
④100万円
⑤金額にかかわらず差し出さない
⑥決められない


問2:
十分な報酬が支払われ、本人が同意しているなら、命と引き換えにお金を受け取ることは本人の自由でしょうか?

①本人の自由である
②一定の制限は必要だ
③認めるべきではない
④生活のために選ばざるを得ないなら、自由な選択とはいえない
⑤決められない


問3:
医療、危険を伴う作業、性産業など、自分の身体や健康を使って報酬を得る仕事があります。しかし、ある仕事には敬意が向けられ、別の仕事は低く見られることがあります。

いずれも、自分の時間や身体を使って報酬を得る仕事です。社会からの評価が異なるのは、なぜだと思いますか。
あなたの考えに最も近いものを選んでください。

① 社会に与える利益が異なるから
② 必要な知識や技能、資格が異なるから
③ 本人が負う危険や身体的負担が異なるから
④ 本人が自由に選び、拒否できる程度が異なるから
⑤ 身体をどのように使うかについて、社会的・道徳的な価値観があるから
⑥ 仕事の本質的な違いではなく、社会の偏見や制度によって評価が分かれているから
⑦ 決められない




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回答後に

 命に値段を付けることは、異常に見えるかもしれません。

しかし現実の仕事でも、人は時間や体力だけでなく、ときには健康や将来の寿命を差し出しています。

 問題は、命に値段を付けてよいかどうかだけではありません。

危険を十分に知らされているのか。
断っても生活できるのか。
危険に見合う報酬が支払われているのか。
そして、なぜ特定の仕事や立場の人だけが、その危険を引き受けているのか。

 『供犠層』の作品世界では、異常な装置から生まれるエネルギーが社会を支えています。そこで消費される時間や命は数字として扱われ、電力を使う人々の目からは見えません。

医療従事者、危険な作業に従事する人、性産業で働く人、仕事内容や危険の種類は、それぞれ異なります。

 しかし、自分の時間や身体を使い、ときには健康上の危険を引き受け、その対価として報酬を得るという構造は共通しています。
それにもかかわらず、ある仕事は「尊い仕事」と称賛され、ある仕事は存在を隠され、ときには働く人自身まで低く見られます。

 その違いは仕事そのものにあるのでしょうか。
それとも、誰の身体の使い方を「立派」と認めるかを、社会があらかじめ決めているのでしょうか。


 この作品は、全ての社会機能を維持するために、誰の身体と人生が使われているのかを考えるために制作しています。
エネルギー問題で浮き彫りになる極端な社会の歪みを通して、私たちが現実の仕事と、そこで働く人に向けている評価を問い直す作品です。